
「不妊治療がなかなかうまく進まない。運動をなにかとりいれてみようかな。」
「妊活していきたいけど、生理のときの痛みや腰痛や肩こり、冷えが心配。」
今回はこのような悩みに答えていきます。
本日の内容
- 妊活のためのウォーキングの効果
- ウォーキングの適切な時間
- ウォーキングの際の注意点
この記事を書いている私は、自身の不妊体験や妻の妊娠・出産時のトラブルをふまえて妊娠から出産・育児までを見据えた女性の体の悩みについて対策を講じている理学療法士です。
妊活、妊婦さん、産後の体のケアについて臨床的&科学的視点からご案内します。
【妊活へのウォーキング効果を解説】
- その①:効果的な時間と運動強度
- その②:1人よりもパートナーと一緒に実践
- その③:無理なく続けられる習慣づくり
その①:効果的な時間と運動強度
まずウォーキングの有効性と「効果的な時間」から解説します。
今回参考にした情報はこちら
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3340509/
運動と妊娠との関係を調査したデンマークで行われた研究です。
18〜40歳までの妊娠を望む女性を対象に、運動の種類、運動時間、妊娠率の関係について調査しています。
このデータを参考にすると具体的な方法は、下記の通り。
- 方法①:中等度の運動強度であるウォーキングを行う
- 方法②:週に1時間以上、5時間未満が効果的
- 方法③:BMIが25以上の女性については、やや速めのウォーキングが効果的
上記の通り。
すこし深堀します。
方法①:ウォーキングを行う(中等度の運動強度)
ウォーキングやゆったりとしたサイクリングが、中等度の運動強度と分類されており、
1週間のうちで、1時間以上、5時間未満の時間で運動された方が妊娠率が高くなったとのことです。
有酸素運動を行い、全身の循環を促し、運動によるストレス発散効果でメンタルケアにもなります。
方法②:週に1時間以上、5時間未満が効果的
繰り返しになりますが、「1週間のうちで、1時間以上、5時間未満の時間で運動された方が妊娠率が高くなった」とのことです。
5時間未満であれば、時間を長くするほど妊娠率が高まったという結果になっています。
お仕事の忙しさ・疲労、また体力レベルを考慮して、
週2回、1回30分のウォーキングが導入しやすいと思います。
なかなか時間がとれない方は、1週間のうちに1回1時間ほど実践してみると良いですよ。
具体的な目安は、下記の通り。
- 時間は1時間以上(30分を週2回としても◎)
- 週1回 可能であれば週2〜3回
- 5時間未満で管理する
方法③:BMI25以上の女性は、やや速めのウォーキングが効果的
ふくよかな体型とみなされた女性(BMI25以上)については、より活発的な運動強度の方が、妊娠率が高まったという結果になっています。他の研究でも、「ふくよかな女性」は、体重減少による妊娠率向上効果があることがわかっています。無理な減量には注意が必要ですが、体重管理が関係するということがわかりますね。
その②:一人よりもパートナーと一緒に実践
妊活は、パートーナーと一緒にやることにも意義があると思います。
数年前までは、不妊の原因は女性の問題として取り上げられていました。ここ数年で、不妊の原因は、女性、男性それぞれ半分ずつの割合と認識されるようになってきました。
参考)日本生殖医学会
また、私の家庭での不妊から流産・再度妊娠までの経験を振り返ると、二人ですごす時間の大切さがわかりました。
二人で一緒に取り組む「妊活」という意識をお二人で共有できると良いなと、お客様にはお伝えしています。
その③:無理なく続けられる習慣づくり
運動は、取り入れやすいものが長続きします。ウォーキングも始めるまでがなかなか腰が重いな、、と感じる場合は、ストレッチからでも良いと思います。お二人で一緒に、脚・腰回り・上半身のストレッチをまんべんなく行い、余裕があったら一緒にウォーキングに出かけるというスタンスでも良いと思います。
運動を取り入れる前に注意すべきこと
- 注意①:なんのために行うのか明確にする
- 注意②:体が疲れているときは休息を第一選択とする
- 注意③:体作りを楽しむような気持ちで取り組む
上記の通り、目的は「妊活」だと思いますので、お二人で共有し、体作りを楽しむ時間としてほしいなと思います。私達の場合は、妊娠に向けて、体を休めることを意識しつつ、二人の時間をあわせ、近くの公園に一緒に散歩する機会を増やしました。些細なことではありますが、一緒に過ごせた時間があったことで、今後どのようなライフプランを考えているか、お互いの認識を確認できる時間ともなりました。
あと、コツとして体が疲れているときは、まずは「休息をとりましょう」。疲れている状態で運動を取り入れても、体がストレスと認識してしまうことで女性ホルモンを生成する働きが弱まる可能性もあります。
ご自身の体調にあわせて取り入れてみてくださいね♪
今回の記事は以上となります。
参考になれば幸いです。