
「ストレスのせいか生理が乱れてきた」
仕事や育児、家事など生活上での忙しさが原因なのか、ストレスが加わることで生理に影響する方がいらっしゃいます。生理周期の乱れ、生理痛、月経血の量など人によって多様です。
この記事では、原因不明の不妊要素としても考えられやすいストレスと生理の関係性について、エストロゲンの分泌の観点から解説しています。
これから妊活をしようとしている方、現在妊活をしている方、不妊治療中の方も、ストレスと生理の関係性を確認しておきましょう。
ストレスが生理に影響する理由

エストロゲンの働きについて
女性ホルモンの一つであるエストロゲンの働きには以下のようなものがあります。
- 卵子を成熟させて排卵を促す
- 生殖器を受精に適した環境にする
- 妊娠・出産・保育に適した女性らしい体つきにする
- 皮膚の張りを保つ
- 骨を強く保つ
- 血管壁を緩める
- コレステロールを減らす
- 認知機能を維持する
エストロゲンの分泌に問題が起こると、排卵障害、子宮内膜の問題(子宮内膜症との関連性など)、月経周期の乱れなど、妊活や不妊に関連する問題が生じやすくなります。
エストロゲンの分泌に関係するものの一つに、「ストレス」があげられます。ストレスは、物理的に身体に加わるものもあれば、精神的に加わるものもあります。身体ストレスとして身近なのは、肩こり、腰痛、頭痛などの慢性疲労要素。また、生理痛など生理に関する身体トラブルがある方はそれも加わります。精神的には、メンタル不調、不眠や睡眠不足などの睡眠トラブル、職場などの人間関係などから影響されるものもありますね。
では、エストロゲンはストレスによってどのように影響されるのか、生理学的な側面からみてみましょう。
エストロゲンの分泌機構
エストロゲンは、卵巣から分泌されていますが、その卵巣からの分泌を管理しているのが脳下垂体と視床下部といわれる脳の中枢部です。本来は、視床下部から性腺刺激ホルモン放出ホルモン(LH-RH)を分泌して、脳下垂体から分泌される黄体形成ホルモン(LH)と卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌を調整します。結果、卵巣からのエストロゲン分泌につながりますが、ストレス環境にあるとこの経路が乱れ、交感神経活動が高まることで、卵巣からのエストロゲンの分泌が減少することがわかっています。次の項目で、基礎研究で明らかになっている内容について確認していきましょう。

エストロゲンと自律神経の関係
エストロゲンと自律神経の関係性についてマウスを使った研究などの結果から明らかになってきています。
例えば、卵巣や子宮には自律神経がたくさん分布しているのですが、この卵巣や子宮を管理する自律神経が血流の調整や、卵巣から分泌されるエストロゲンを調整すること、また、子宮の筋肉の活動を調整することなどがわかっています。
特に、エストロゲンの分泌に自律神経が関与するとなると、何かしらのストレスが加わったときに交感神経活動が高まり、卵巣や子宮への血流が乱れる、エストロゲンの分泌が減少するなどの問題が起こりやすくなると予測できます。
すると、冒頭で確認したエストロゲンによる生理作用が乱れ、生理の乱れ、PMS、体の不調がでやすくなることがわかりますね。
ストレスがかかりやすい時期は、体の不調が出る前にリフレッシュや睡眠を十分にとるなどで対策していきたいものです。
参考)鍵谷ら、ストレスが視床下部-下垂体内分泌系と自律神経系を介して卵巣機能に及ぼす影響
まとめ:生理を整えるためにはストレス管理も大切
3,4月は新生活や新事業があり、肉体的にも精神的にもストレスが加わりやすい季節です。心身の不調が出る前に、セルフケアなどを通してリフレッシュしていきましょう。
現在、妊活中、不妊クリニック通院して不妊治療しながら経過をみているなど、体作りや対策方法についてなにか気になることがある方は、こちらの「公式Line」から気軽にお問い合わせください。
また、無料で行える体質チェックをご案内しています。体の不調の解決や妊娠体質に近づくためのあなた自身のセルフケアを身につけることができます。回答を踏まえ、取り組んでいきたいセルフケアの方法についてご案内させていただきます。チェックをされたら公式Lineからチェックしたことをご連絡ください。
コメント