妊活

妊活の体づくりは妊娠や産後を予測して

2021年4月28日

妊活のための体づくりは、今後の妊娠中の経過や産後にみられやすい体の不調をふまえて、個別の特徴をおさえながら進めています。どのような視点をもっているのかをご紹介します。

妊活のための体づくり

妊活の方への施術の大事にしているポイントは、妊娠中の体の変化、産後の体の変化を事前に予測して取り組むことです。

妊活は、妊娠して終わりではないです。妊娠することがゴールではなく、その後の妊娠経過、出産、産後の育児が待っています。

妊娠期は、10ヶ月ほどの期間がありますが、あっという間です。つわりやお腹のハリなど、不安になることもあり、あれよあれよと出産の時期が近づいてきます。

場合によっては、妊娠期高血圧・糖尿病、切迫早産、前置胎盤などの合併症を伴うこともあります。私の家庭では、「切迫早産」を経験しました。

第一子妊娠中、妊娠7ヶ月での定期検診。「子宮口が開いている状態なので、すぐに入院が必要です」内診後のこの一言で、入院即決定。しかも、その病院では管理が困難とのことで、大学病院へ緊急搬送転院となりました。

そこから、2ヶ月入院。妻は、その間、ベッド上安静。トイレにいくこともナースコールを押して看護師への報告が必要な状態。体力・筋力はおち、精神的にも大変な状況です。

このような状況で出産を迎え、産後の育児を迎えることになると、体はもうボロボロになってしまいます。

私の妻は29歳のときの初産でしたが、高齢出産の条件で、これらのトラブルが重なるとかなり体への負担は大きくなります。それらをみこして体作りを意識しています。

妊娠中の体の悩み

たくさんの妊婦さんがサロンに来店いただきます。ご相談いただく体の悩みは、肩こり、腰痛・背部痛、恥骨などの骨盤痛、鼡径部痛、脚のむくみ・冷え、便秘、お腹のハリ、逆子などです。

妊娠期の体の悩みについて報告しているものでも、同様な悩みを訴える妊婦さんが多いです。

参考)女性の骨盤形態の特徴と出産経験による比較

妊娠中の体の変化はもちろんですが、妊娠前から肩こり、腰痛がある方は、その悩みが強くなることもあります。その場合、ママが辛くなるとお腹の赤ちゃんへ辛さが伝わると考えています。

実際、妊娠中には体が丸くなる姿勢になる傾向にありますが、それに伴いお腹が圧迫され、子宮を圧迫する姿勢になりやすいです。子宮が圧迫されるとお腹の赤ちゃんが窮屈な状態となります。

妊娠中は、お腹の赤ちゃんのことを考え、猫背、丸くなりがちな姿勢のリセット体操が必要になることが多いです。少しでも赤ちゃんが健やかに成長してもらえるように。

産後の体の悩み

産後のママからご相談いただく悩みは、腰痛・背部痛、恥骨や尾骨周りの骨盤痛、骨盤の開き、体重の戻り、肩こり・首コリ、腱鞘炎などの手のトラブル、尿もれ・排尿時のトラブル、ちょっといきんだ際の尿もれなどです。

産後の悩みの特徴は、骨盤の変化と骨盤底筋の変化です。出産方法が、自然分娩、帝王切開などどのような方法であれ、骨盤変化と骨盤底筋の変化が伴っています。自然分娩時に会陰切開、会陰裂傷をともなう場合は、骨盤底筋の緊張状態が影響され、尿もれ、排便時痛、尾骨痛などのマイナートラブルが起こりやすいです。

実際に、尿もれ、排便時痛、お風呂上がりのお湯漏れなども骨盤底筋のトラブルですが、なかなか人には言えなかった悩みという言葉をいただきます。「恥ずかしながら、、、」という言葉を添えて伝えてくれるママさんもいます。

はじめに書いた妊娠中のトラブルや、分娩方法、産後すぐの経過、産後の育児への協力体制、産後の回復など多くの要素により産後の体の回復過程は変わります。お一人お一人状態が異なるので、妊娠中〜出産・産後の状況などをお聞きして、施術の方針を決めていきます。それをもとに、セルフケアの方法もお伝えして、なるべく早く体が回復するように。そして、赤ちゃんの成長に伴う体への負担に対応できるように準備もしていくのです。

妊活中に意識したい3つのこと

以上の観点から、妊活中に意識していきたいことがあります。それは、①便秘解消、②栄養状態、③柔軟・筋力・体力についてです。

①便秘解消

お腹のハリや切迫早産のリスクにつながります。妊娠中は、子宮が大きくなるにつれて胃腸が子宮の後方に回り込むように移動します。この時に、胃の硬さや便秘による大腸の硬さがあると、回り込みが制限されて、子宮を圧迫することになります。

もともと胃腸が弱い方は、冷えによる胃の硬さがあり、みぞおち付近の筋膜の硬さが伴います。また、便秘の方は、左右のお腹の横側、とくに左側にて硬さが目立ち、さらに腰回りの筋膜の硬さも伴います。このお腹や腰〜背中周りの筋膜の硬さも子宮を圧迫する要因になります。

便秘を解消することが、お腹の赤ちゃんの健やかな成長を支えることにつながるのです。

②栄養状態

栄養はなんとなく大事ということはおわかりだと思いますが、なにを意識したらよいかと疑問に思うママが多いです。私は、特に「油」と「鉄分」「ビタミンD」を意識していただいています。油については、アマニ油やエゴマ油などのω−3系の油の摂取をお勧めしています。

油から代謝されてできるケトン体という物質。これらが、胎児への栄養源ということがわかってきています。良質な油から栄養源を取り入れることが赤ちゃんの健康に大事ということです。

参考)ケトン体が人類を救う

鉄分とビタミンDは、妊娠すること、また、妊娠中の経過にとても大事な要素です。ビタミンDは、着床率を高めることが報告されています。鉄分は、妊娠することにも大事であり、また、妊娠中には赤ちゃんへの血流も割かれるためママは貧血になりがちです。

③柔軟と筋力と体力

骨盤付近の柔軟は、分娩時の赤ちゃんの円滑な移動に大事です。もも裏の筋肉であるハムストリングスは、骨盤の可動に影響します。また、お尻周りの筋肉である殿筋が硬いことも、骨盤の可動制限につながります。

妊娠中に脚の筋力・体力が落ちていると、産後すぐの育児の際にとてもつらくなりがち。骨盤の変化があるため、骨盤〜脚周りの筋肉が使いにくくなり、階段の上り下りで膝が痛い、お腹に力が入らないからお尻周りが筋肉痛のような感じになる、脚の横側がしびれるような感じがある、などの不調を伴う方もいらっしゃいます。

体力は、妊娠後期から意識することが大事。お産の際の体力と、産後の活動で必要だからです。

妊娠中の体のケアは、個別で紹介させていただいております。妊娠中のケアの一例として少しご紹介。個別相談がある方は、こちらの公式ラインからご連絡ください。

公式ライン:Souffleの健康相談

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  • この記事を書いた人

toru_ogara

仙台にある女性専用整体・ヘッドスパサロンの院長。女性の肩こり、腰痛、頭痛や頭皮に関する悩みについて年間約1000件のご相談を丁寧にカウンセリングのもと施術。体の根本改善を目指す方が楽しめる暮らしをサポート。 また、不妊・流産・切迫早産・帝王切開出産など自身の体験をもとにママになるためのプレコンセプションケアや産後の育児をみすえた体作りについてご案内。

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