妊活

【不妊原因】子宮内膜炎と反復着床障害の関係性|初めての妊活Q&A

体外受精がうまくいかず再検査してみたら慢性子宮内膜炎といわれたけど妊娠できるの?

反復着床障害との関連があるとされている慢性子宮内膜炎を指摘され、今後の治療や胚移植で妊娠することができるのか不安になる方がいらっしゃいます。

この記事では、不妊の原因の一つでもある慢性子宮内膜炎について病態や臨床研究についてまとめています。 また、炎症疾患に対する自然的な改善方法である食事や運動の見直しについても解説しています。

妊活や不妊治療をしていて、なかなか妊娠できず不安に感じている方は、一度ご覧いただき病態理解や臨床知見、体の見直しについて学べる機会になると思います。

慢性子宮内膜炎と着床障害の関係性

慢性子宮内膜炎とは

慢性子宮内膜炎は、子宮内膜に軽度の炎症が持続的にみられる状態をさします。細菌感染やその他の原因による反応がみられている状態であり、免疫学的異常があるのではないかといわれています。

(子宮内膜間質に形質細胞の浸潤が認められている状態をさす)

慢性かどうかは、子宮内膜の基底層という内膜の深層にまで炎症が及んでいるか、そして、月経時に子宮内膜は表層の機能層しか剥離が起こらないことから、基底層の慢性的な炎症が持続することに由来しているとのことです。一般的に女性の10%にみられる症状といわれています。臨床症状は少ないため、わからないことが多い病態としても知られています。

【慢性子宮内膜炎の症状】

  • 無症状
  • 軽度の不正出血や下腹部痛、骨盤痛
  • 性交痛
  • 白色帯下

慢性子宮内膜炎と反復着床障害の関係

慢性子宮内膜炎と反復着床障害、習慣性流産、原因不明不妊との関係性についての報告がみられるようになってきています。明らかな原因は確定していないものの、上記の問題との関係性は深いということはわかってきています。次に、研究報告についてみていきましょう。

慢性子宮内膜炎の研究報告

妊娠にいたらなかった方の検査所見・治療報告

体外受精で反復して妊娠に至らなかった方の3割に慢性子宮内膜炎があり、抗生剤治療を行うことで妊娠率の改善がみられたという研究報告を紹介します。

体外受精にて3回以上妊娠に至らなかった反復不成功例の患者に対し、子宮内膜炎の検査および抗生剤加療を行った研究についてです。検査では、不成功例の患者の3割に慢性子宮内膜炎の所見がみられたと報告しています。反復不成功例の患者の中でも、慢性子宮内膜炎の所見がみられなかった7割の方と、所見がみられた3割の方に抗生剤治療をしたあとに、胚移植後の累積妊娠率を比較したところ、慢性子宮内膜炎がみられなかった7割の患者群にて妊娠率が高かったという結果もあります。

参考)Kitaya et al: Live birth rate following oral antibiotic treatment for chronic endometritis infertile women with repeated implantation failure.

慢性的な子宮内膜炎治療として、抗生剤を使用して炎症を抑える方法を利用しています。結果として、炎症が落ち着くことで妊娠に結びつくケースがあることがわかります。一方で炎症症状を抑えるための自然な方法はないものかという視点をもったため次にまとめます。

妊活のために知っておきたい炎症対策

妊活中にオメガ3や9を意識して油を取り入れる方法

体の中で炎症を起こしやすい物質を生成するものとしてオメガ6系の油である大豆油やコーン油があげられます。一般的には、植物油脂や植物油として表記されていることが多いですが、オメガ6系にあたるものとしては、大豆油、コーン油が代表的です。植物油の中でも、オメガ3系にあたるえごま油や亜麻仁油は、炎症を抑える物質を生成する働きがあり、オメガ6系と対抗するものです。魚に含まれている油であり、魚料理を取り入れることでも摂取できます。オメガ3系の油は、加熱調理はしないで利用するものであるため、加熱調理で利用する良質な油としては、オメガ9系であるオリーブ油、米油、菜種油があげられます。

植物油としても、炎症を抑える物質を作りやすいものなのか、炎症を起こしやすい物質を作りやすいものなのかでみられる働きが全く異なることから、普段摂取しているものがどのようなものなのかを見極める必要があります。

例えば、代表的なのはコンビニ食。コンビニで扱うフライヤー製品は、オメガ6系にあたる油を使用していることが多いため、体内での炎症を引き起こしやすい環境を作り出します。成分表示に、植物油脂と記載されていて、アレルギー表示の部分に「大豆」と記載がある場合は、植物油である大豆油を利用している可能性があるため、摂取を控えるようにしています。

妊娠しやすい体作り5ステップ!|はじめての妊活の進め方②−1

適度な運動で代謝を整える

ウォーキングやジョギングなど適度な有酸素運動は、代謝を高め炎症反応を抑える働きがあることがわかっています。運動習慣がない場合は、運動習慣がある人に比べて炎症に対抗する働きも低くなってることが考えられます。1週間のうちに60分以上の運動(かつ、5時間未満で抑える)を取り入れることで、妊娠率が高まったという報告もあるため、有酸素運動の妊活への効果も期待して実践することもよいかと思います。

妊活へのウォーキング効果を解説

産後の生理トラブル対策におすすめストレッチ

妊活や不妊治療を進める上で、体を内側から整える方法も大事になってくることはわかっていただけてきたかと思います。内側から整えると同時に、体を整え妊娠しやすい体作りにしていくためのストレッチについて紹介します。

骨盤を整える!リセットストレッチ

骨盤の歪みがある場合、骨盤周囲の血流が滞りやすいと臨床的にいわれています。骨盤を整えることで、血流を促すための方法です。

  • 仰向けでねます
  • 利き手の方の脚を曲げ、両手を膝を抱えます
  • 膝、おへそ、曲げた脚の反対側の肩を結ぶ直線上で、反対側の肩方向に向かって優しく引きつけ10秒間保持します
  • 一度楽にして、反対側の脚を同様に動かします
  • 左右を必ず交互に行い3セット繰り返します

この方法は、産後の骨盤ケアにもなるストレッチ方法です。産後のママへ指導することで、2週間ほどで骨盤が整う方が多いです。

子宮を温める!おしりストレッチ

股関節の動きに強く関与するお尻の筋肉をストレッチすることで、骨盤内を走行する腸骨動脈への血流増加を図るための方法です。

  • 両膝をたてて仰向けに寝る
  • 右足を左膝の上に置くようにして右膝を曲げる
  • 左太ももを両手でつかみ、左太ももを胸方向に近づける
  • 右おしりが伸ばされていることを確認できたら40秒ストレッチする
  • 一度楽にして同様に3回分行う

ストレッチによる血流増大効果を利用して、骨盤内血流を高め、子宮内へ届く血流を増やすことで温熱効果を引き出すことを目的にやってみましょう。

他にも、いくつか妊娠しやすい体作りに効果的だとされるストレッチ方法があります。こちらの記事で紹介していますので、引き続きご一読ください。

妊活のための簡単ストレッチ5選

まとめ:不妊原因である炎症疾患はその原因を知って対策する

炎症疾患である慢性子宮内膜炎の病態や臨床研究についてふれ、もともとの炎症を改善するための意識したい食事や体のケアについて紹介しました。

  • 慢性子宮内膜炎とは
  • 慢性子宮内膜炎と着床障害に関する研究報告
  • 炎症疾患の対策のための食事・運動習慣の工夫

現在、妊活中、不妊クリニック通院して不妊治療しながら経過をみているなど、体作りや対策方法についてなにか気になることがある方は、こちらの「公式Line」から気軽にお問い合わせください。

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  • この記事を書いた人

toru_ogara

仙台にある女性専用整体・ヘッドスパサロンの院長。女性の肩こり、腰痛、頭痛や頭皮に関する悩みについて年間約1000件のご相談を丁寧にカウンセリングのもと施術。体の根本改善を目指す方が楽しめる暮らしをサポート。 また、不妊・流産・切迫早産・帝王切開出産など自身の体験をもとにママになるためのプレコンセプションケアや産後の育児をみすえた体作りについてご案内。

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