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産後2ヶ月で膝が痛い!しゃがむ時の膝の痛みの原因と対策について理学療法士が解説

産後に膝が痛くて立ち上がりやしゃがむのがつらい

産後の体のトラブルとして、膝の痛みをかかえるケースがあります。痛くても育児のために抱っこやあやすことがあるので、辛さを我慢しながら過ごしているという相談がよくあります。

この記事では、産後の体の悩みの一つである膝の痛みの原因と対策方法について解説しています。

産後まもなくの方、実際に膝の痛みを抱えている方は、その対策方法について確認できる内容となっています。

産後にみられる膝の痛みの原因について理学療法士が解説

産後すぐに膝が痛む原因

産後2ヶ月のママから骨盤が気になっていて、膝も痛いというお悩み相談がありました。産後に踵や膝が痛くなることは多く、前回もその内容についてまとめています。

産後3ヶ月で踵から膝まで痛い|産後の脚の痛みと対策について解説

産後の骨盤の不安定性から末梢の足の緊張が高まっている場合、腹直筋離開や体幹筋の弱化により体の中心部が不安定で末梢の足の緊張が高まっている場合、産後の体力が回復しておらず全身的に体の緊張が高まっている場合など複数の要因がありますが、今回の産後ママさんは、出産方法が帝王切開であったため体幹部の不安定性がかなり強い状態であることが予測できました。

膝の痛みの状態について

実際にしゃがみ込みや立ち上がりの動きをみせていただくと、どちらの動きでも膝のお皿付近に痛みがでていました。ズゥーんとした痛みのようで、動作後に痛みが残っている様子はないです。動きの特徴としては、腰が丸まっていて後方重心になっている様子はありました。

膝の様子は特に熱がある、腫れている、ズキズキ痛むといった炎症症状はなく、太ももの筋肉である大腿四頭筋の緊張状態が強かったです。緊張が強い場合、筋肉を圧するとくすぐったいという感じや過敏性を伴い痛いということがあります。

関節の問題自体はなかったので、膝周りの筋肉の緊張が膝関節のかみ合わせを乱し、しゃがみや立ち上がりなど体重がかかった状態で体を動かす際に痛み刺激がでやすい状況であることが予測できました。

産後の腹筋をチェックするテスト

今回ご相談いただいた産後のママは、帝王切開後であり、まだ術後2ヶ月の経過であったため体力テストと、過剰な腹筋テストは避けました。帝王切開後のママで腹筋の働きを確認するには、呼吸を使って腹部を引き締めることができるかどうかを見ていきます。

息をすって吐く際に、下腹部をしっかりと引き締めていけるか。この運動をしていただいた時、腹横筋という骨盤や下腹部をコルセットのように安定させてくれる筋肉が活動してくれるのですがかなり乏しい収縮状態でした。

この結果から、インナーマッスルである腹横筋の活動が乏しく、体幹部の不安定感がある中で、育児・家事をすることにより脚や背部周りの筋肉の緊張を高めて過ごす結果、膝の痛みにつながっと推測しています。

膝の痛みを解決!産後の骨盤ケア

産後の膝の痛みがでる原因がわかったら、その対策方法を実践し体作りをしていきます。今回紹介するケアは、産後に乱れやすい骨盤を整えるケアと弱くなってしまった腹筋などの体幹筋を使いやすくするためのエクササイズです。

  • 骨盤の安定感を高めるストレッチ
  • ゆるんだ腹筋を引き締める呼吸エクササイズ

腹部の活動がまだ乏しい状態の時は、寝た状態で重力の負荷が少ない姿勢での運動からはじめることが大事です

骨盤の安定感を高めるストレッチ

  • 利き手側の脚をかかえます
  • 膝・おへそ・反対側の肩のポイントを結ぶ直線をイメージして脚をひきつけます
  • 引きつけるときは優しくひきつけます
  • 10秒間キープしたら脚をもとに戻します
  • 反対側も同様に斜めの直線上で脚を優しくひきつけます
  • 10秒間キープしたら脚をもとに戻します
  • 左右交互に行うように3往復行います

ポイント

・強くひきこまない

 太ももがお腹にくっつくくらいに強く引き込む必要はありません

 軽く膝を肩に近づけるように優しくひきつけましょう

・利き手側から交互に行う

 必ず利き手側から行い、左右交互に行います

 利き手側から行うのは、歩き動作を踏まえた動きの連鎖から設定しています

ゆるんだ腹筋を引き締める呼吸エクササイズ

  • 仰向けになり両膝を軽く立てます
  • 息を吸ってお腹を大きく膨らませます
  • 息を吐きながらお腹をすぼめていきましょう
  • 息を吐く際に、尾骨を両脚の間にもぐりこませるようにします
  • 骨盤を後傾させる動きをすることで背中が床につきやすくなる感じを捉えます
  • 呼吸に合わせたこの一連の動きを10回行いましょう

ポイント

・息を吐きながら骨盤を後傾させる

 尾骨を脚の間にもぐりこませるようにすることで骨盤を後傾させることができます。

 このとき、腹部にある腹横筋を使って下腹部を引き締める効果を引き出します

膝の痛みをとるためのもも前ストレッチ

骨盤の安定感を高めたあとに、緊張が強くなっていたもも前にある大腿四頭筋のストレッチを提案しました。

・うつ伏せになる

・足首をもち踵をお尻に近づける

・もも前がのびていることを確認し30〜40秒ストレッチする

左右両方、1〜2回行っていきます。

帝王切開後で、うつ伏せになることが不安であれば、立った状態、もしくは、横向きで同じようにもも前をストレッチすると良いです。

ここまで施術とセルフケア指導を伝え、再度しゃがみ込み、立ち上がりをしていだくと膝の痛みはなくなっていました。

まだ日常生活上でどのくらい負荷がかかるかをすべて把握したわけではないので、セルフケアを行っていただき、また状態確認後に適切なケアに修正することが必要です。

まとめ:産後の骨盤ケアなどは体力にあわせて実施する

産後のママの脚の痛みは、様々な要因があるため、ご自身の体の状態に見合ったセルフケアを選択できるかどうかが産後の不調を整えるポイントになります。

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  • この記事を書いた人

toru_ogara

仙台にある女性専用整体・ヘッドスパサロンの院長。女性の肩こり、腰痛、頭痛や頭皮に関する悩みについて年間約1000件のご相談を丁寧にカウンセリングのもと施術。体の根本改善を目指す方が楽しめる暮らしをサポート。 また、不妊・流産・切迫早産・帝王切開出産など自身の体験をもとにママになるためのプレコンセプションケアや産後の育児をみすえた体作りについてご案内。

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