産後ママの体を整えていく上で、体力を高めていきたいと感じることは多いです。今回、産後6ヶ月が経とうとしていて、さらなる体力づくりを目標にコンディショニングを進めることを決めたママの様子を紹介しながら産後の体力づくりについて解説していきます。
産後に体の不調や体重がもどっていないと感じるママは、現在の体力レベルにあった体作りを知る機会になるのでご覧いただきたい内容です。
産後の体力アップのためのエクササイズ計画を解説

産後6ヶ月が経とうとしているママの背中と腰の張り
産後2〜3ヶ月ころからサポートさせていただいているママから、産後6ヶ月が経とうとしている時期で背中や腰のハリ感が感じやすくなったというお悩みをいただきました。
もともとは、妊娠中のトラブルから体力がだいぶ落ち込んでおり、産後すぐは体力が落ちているせいかふらつきやめまいなど貧血様症状もあり、生活がつらいと感じることもありました。産後の骨盤ケアやさらなる体力アップと、睡眠不足や授乳で少しずつ感じ始めていた肩こり・首コリ対策のために当初は産後整体を開始。
サポートから2ヶ月では、だいぶ体力も高まり、育児に支障がでることが減り、散歩や外出もできるようになってきていました。
では、今回6ヶ月が経とうとしている中で感じてきた背中や腰の張りはどのような要因があるかを確認していきます。
背中・腰の張りのスクリーニングテスト
関節、筋肉、神経などどのような問題が隠れているかを簡単にチェック。特に神経的な問題はなく、骨盤のずれもないため、腰背部周りの筋肉の緊張や腹筋の強さがどうなっているかがポイントに。
前屈にて全身的な柔軟性の確認では、指先まで届く状態。産後すぐにサポートをはじめた時期は、届かなかったので柔軟性は高まったと判断できます!
続いて、腹筋のテストで体幹の強さを確認。起き上がりテストを実施してみると、腹筋の弱さが確認できました。特に腹直筋離開の様子はなかったため、まだ腹筋の筋力が戻りきっていないことが考えられます。
最後に、お尻周りの筋力テスト。大殿筋と中殿筋というお尻の筋肉は、骨盤や体幹部の安定感にかんけいすること、また、脚の中の筋肉でも大きな筋肉であるため、体力と関連があることから筋力が高まっているかは重要なポイントとなります。
大殿筋、中殿筋ともに筋力低下がみられており、特に腰背部の張りは左側で感じており、その左のお尻の筋肉が弱くなっていることがわかりました。左のお尻の筋肉の弱さや腹筋の弱さを代償するために背中の張りが、特に左側で感じやすくなっていることがわかりました。
産後の体力をチェックするテスト
立ち上がりテストという体力レベルを確認する方法があります。30cmの高さの台から片足で立てるかどうかというテストです。30cmの高さから立てない場合、体力低下があり日常生活上で腰痛、肩こりといった体の痛みが出やすいだろうと予測することができます。
産後6ヶ月経過時点では、妊娠中に増えていた体重が比較的戻りやすいこと、育児や家事の生活リズムに慣れてくる頃、また、産後の生理が戻りやすい頃などいくつか体力が回復してくる見込みがある時期です。
海外における産後の体力向上のためのエクササイズのガイドラインでも、産後6ヶ月以降では積極的な筋トレ、有酸素運動を推奨しているものもあります。ご自身の体調にあわせてでもありますが、今回紹介する体力テストをしてみて、現在の体力レベルを把握しておきましょう。
今回ご相談いただいたママは、30cmが難しく、次のステップである40cmも少しふらつきながらできるという結果でした。できれば40cmはふらつくことなくできてほしいという思いです。
この結果から、産後の体力回復が不十分であり、腹筋の弱さもあいまって背部・腰部のハリ感を感じやすくなっていることが一つ要因としてあげられます。



図)立ち上がりテストと結果
産後は30cm、40cmから立ちにくい方が多いので
無理せずに実施しましょう。一般的な家庭の椅子は
40cmの高さであることが多いです。その高さから
確認してみて、より低い高さから立ち上がれるかを
確認する順番でやってみると良いです。
踵や膝の痛みを解決!産後の骨盤ケア3選
先程の体力テストの結果から、30cm、または40cmの高さから立てず、腹筋の弱化があり体幹や骨盤の不安定感もあると判断する場合は、座ったり、寝た状態での重力の負荷が少ない姿勢での運動からはじめることが大事な環境設定となります。
40cmの立ち上がりテストが難しかった場合は、立った状態での運動は負荷量が強くて体にあっていません。そこで、以下のようなケアから進めていくことを提案しました。
- 背骨の柔軟性を高めて全身のしなやかさアップ!キャットストレッチ
- 弱くなったお尻の筋肉を整える大殿筋ストレッチ
- ヒップアップ効果もあり!殿筋を鍛えるブリッジングトレーニング
①背骨の柔軟性を高めて全身のしなやかさアップ!キャットストレッチ
- 四つ這いになります(肩の下に手が、腰の下に膝が位置するように姿勢を整えます)
- 腰を丸めるようにしながら背中全体を猫背になるように丸めます
- 次に腰を反るように骨盤を動かしながら背中を反っていきます
- 体を丸めるときは息を吸いながら。反るときは息を吐きながら行いましょう
- この動きを5回連続で行いましょう
②弱くなったお尻の筋肉を整える大殿筋ストレッチ
- 椅子に腰掛け片方の足を反対側の膝の上にのせます
- 曲げた脚の膝をかかえ反対側の肩に向かって引き寄せます
- お尻の筋肉が伸ばされている様子を確認したら10秒間ストレッチします
10秒3セット左右両方行いましょう
【ポイント】
・骨盤を起こし体はまっすぐの状態で膝を抱えて引き寄せる
膝を引き寄せるときに、体がひねってしまうことがあります。十分なお尻のストレッチとならないため体はまっすぐの状態で引き寄せていきましょう。
③ヒップアップ効果もあり!殿筋を鍛えるブリッジングトレーニング
- 呼吸法で利用した骨盤後傾の動きのあとにお尻を天井方向に持ち上げます
- お尻をキュッと引き締めながら持ち上げていきます
- 膝から首元まで体が一直線になるような状態になっていることを確認します
- 持ち上げたら背中から床にくっつけていくようにおろしていきます
- 10回3セット行いましょう
【ポイント】
・お尻を引き締めるように力を入れる
ブリッジングというこのエクササイズは、お尻の筋肉である大殿筋を使います
キュッとお尻を締めるようにすることで弱化した大殿筋に刺激をいれます
・腰を反りすぎない
持ち上げる際は、お尻から背中の順に床から離れていくようにしましょう
お尻を持ち上げすぎると腰が反りすぎて腰痛をまねくので注意します
まとめ:産後の骨盤ケアなどは体力にあわせて実施する
産後のケアとしてたくさんのストレッチやエクササイズ動画が紹介されています。ご自身の体の状態に見合ったものを選択できるかどうかが、効率的に、かつ効果的に産後の不調を整えるポイントになると思います。
- 産後5〜6ヶ月ころに感じた背中・腰の張り
- 産後の体力チェック方法
- 体力レベルにあわせたセルフケア
現在、産後の不調を抱えていたり、骨盤ケアに悩んでいる方、妊活中、不妊クリニック通院して不妊治療しながら経過をみているなど、体作りや対策方法についてなにか気になることがある方は、こちらの「公式Line」から気軽にお問い合わせください。
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