不妊治療でトピックになることが多くなった、がん治療による妊孕性への影響について簡単にまとめています。がんを患うと疾患特性や治療中による放射線や薬物療法など、また精神的ストレスにより体力の低下など身体症状があらわれます。治療により命は助かったものの、その後妊活をしていく中で体力低下と子どものためや自身の健康のために健康増進について考えることは必須になります。
がん治療後の体力改善について、私の先輩理学療法士の取り組みの紹介もしています。
がん治療と妊娠するための体の機能について

がん治療による妊孕性への影響
がん治療をする上で、妊娠するための体の働きについて影響するものは、手術の影響、放射線治療の影響、薬物療法の影響があげられています。
手術療法は、生殖器にがん細胞が及んでいる場合、手術による侵襲により生殖機能の働きに影響する可能性があります。
放射線療法では、腹部・骨盤部に放射線照射が行われた場合は卵巣、子宮への影響が強く、照射される放射線の量が増えるほど卵巣へのダメージは大きくなることで、卵子そのものへの影響があらわれといわれています。
薬物療法では、抗がん剤を服用していきますが、卵巣や子宮に影響がでるものとでないものとがあるようです。医師からどのような副作用があるかを確認する必要があります。また、薬剤は胎児に影響を及ぼすことがわかっており、薬物治療中は避妊することが必要となります。命の選択と子供をもつことの選択、なかなかすぐに決断できることではないので、パートナーやご家族との話し合いが必要となりますね。
受精卵の凍結保存という選択肢
がん患者の妊孕性温存の一つの選択肢として、受精卵や卵子の凍結保存があります。がんの治療により生殖機能が影響される可能性が高い場合に検討されるようになっていますが、将来的に確実に妊娠や出産ができるかは約束できるものではありません。
凍結は、保険適用ではないため、保存や保管に関する費用などは全額自己負担となります。4月から卵子凍結も一部保険適応になるものもありましたが、がん患者については保険適用外となっています。凍結卵子による体外受精には1回25万円、凍結精子による体外受精には同30万円を上限として助成するとの方針があり、こちらを利用することで選択肢の一つとしてもつことができます。
がん治療後の体力づくり

がん治療中や治療後は、落ちた体力を戻すことが必要になることが多いです。運動によりがん治療後の体の悩みを改善する効果についていくつかあげられています。
- がんに伴う疲労感
- 体力低下
- リンパ浮腫
- 気分の落ち込み
- 不安感や緊張感
- 骨密度
- 睡眠障害
これらの心身症状を解決する効果が運動にはあるということで、がん経験者への運動効果による生活の質の向上が注目されています。
私の、先輩である佐々木雄大さんが、がん専門運動指導士の資格を取得しており、がん経験者への運動カウンセリングを開始しました。こちらを読んでいるあなた自身や、身の回りのがん治療中、治療後の方がいらっしゃいましたら、運動による体力改善や健康増進効果についてご相談いただけるとよろしいかと思います。
○キャンサーフィジオ
代表トレーナー:佐々木 雄大
理学療法士、アメリカスポーツ医学会認定がんエクササイズトレーナー
大阪国際がんセンター認定がん専門運動指導士
URL:https://www.cancerphysio-online.com
がん経験者の方への治療後の体力改善と健康増進のサポートをオンラインにてカウンセリングしていますので、上記のURLからご覧ください。
現在、妊活中、不妊クリニック通院して不妊治療しながら経過をみているなど、体作りや対策方法についてなにか気になることがある方は、こちらの「公式Line」から気軽にお問い合わせください。
また、無料で行える体質チェックをご案内しています。体の不調の解決や妊娠体質に近づくためのあなた自身のセルフケアを身につけることができます。回答を踏まえ、取り組んでいきたいセルフケアの方法についてご案内させていただきます。チェックをされたら公式Lineからチェックしたことをご連絡ください。